押しも押されもせぬ2016年の大晦日、アンコールワットからベトナム・ホーチミン市へと向かった。
新年を翌日に控えた市内は既に大変なお祭り騒ぎとなっていた。
お祭り騒ぎと散々に彩られた街のイルミネイトで忘れていたのだが、ここは社会主義国なんだよな。はためく赤星紅旗にふと思い出させられる。
そうは言ってもホーチミン像前も人でごった返し芋洗いの様相を呈していた。
翌1月1日、ホーチミン市街へ。
フランス統治時代に建てられたというサイゴン大聖堂
そこからしばらく歩くと統一会堂(Wiki)がある。かつての南ベトナム大統領府であり、ベトナム戦争終結の地だ。
チケットを買って中に入る。
前庭右手には二両のT54戦車が展示されている。これはプラウダ高校、ではなく北ベトナム軍のもの。40年前、この戦車が突入し、大統領府は制圧され、屋上に赤星紅旗が掲げられた。サイゴン陥落の瞬間である。
アメリカ軍事顧問団が控えていたという部屋
当時突入した北ベトナムの戦車兵
屋上よりT54を望む。果たして戦車の突入を目にした南ベトナム大統領はいかなる思いであっただろうか…
しかし40年後の今では、屋上売店でコカコーラとペプシを売ってるのが最高に皮肉である。
4階から1階に降り地下防空壕まで順路を進み、裏口から建物を出る観光客を最後に子供の遊ぶ声が響く公園が待ち受けている。意図して配置されたのかは分からないが、そこは40年前の戦争とは無縁であるようなそんな場所だった。
最後にベトナムコーヒーを飲み、最後の目的地シンガポールへ…
(つづく)