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タイ抑留n日目…まだか、夜明けは…

生存、90日

 あの決定的なタイ渡航から90日…

 

 かつて人の噂は75日と言われていたが、膨大な情報の氾濫する現代社会において、90日も経てばオタクは次の嫁を見つけているし、あれだけ騒がれてた例の紐もがんばるぞいももう誰の記憶にも残らない、そんなあまりに長過ぎる時間だ。なんたるショッギョムッジョ。

 

 90日も過ごせば慣れたでしょ、などと言われるが無論そんなことはなく。やはり日本ではない何処かに居るという感覚は拭えない。セブンもファミマもココイチも、すき家に吉野家、マックにスタバもモスもある。日本にあってバンコクにないものを探す方が難しい。しかし、それでもなお、ここは日本とはひたすらに違うのだ。

 

 一体何が違う?

 

 会社の窓からぼんやりと外を眺めて、こう思う。ここからまっすぐ東に行けばミャンマーがありその先にはインド・バングラデシュがある。西に行けばカンボジアがありヴェトナムがある。北に行けばラオスがあり更に先には中国がある。南に行けばマレーシアがある。もっと南にオーストラリアがあると思ったらそうでもない。

 とはいえ、どっちに行ってもそのうち海に突き当たる日本とはえらい違いだと。物理的に、心理的に、詩情的に、ああ、ひたすら遠いな、と。

 

 変わらないのは10月になってもなお遠慮のない直射光と、梅雨時もかくやという湿度だけ。たまに珍しく外に出る気になっても、大抵において土砂降り雷雨が待っている。おかげで空調の効いた部屋でネットする事でしか生きられなくなってしまった。

 

 あれ?結局、日本にいようがバンコクにいようが、この引きこもりの性根は変わらないのであった...     fin.